今回から、会社ドック(経営診断)についてシリーズでお送りします。
会社ドックについて①

皆さんは人間ドックをご存知でしょうか。
人間ドックとは、健康診断の一種で、より詳しく身体の状態を調べる検査です。一般的な健康診断よりも検査項目が多く、病気の早期発見やリスクの把握を目的としています。例えば、健康診断では見つけにくい病気やその兆候を発見する可能性が高まります。
「人間ドック」という名称は、船の修理や点検を行う「ドック」に由来しており、身体を徹底的にチェックするという意味合いが込められています。検査内容は血液検査、心電図、腹部エコーなどが含まれ、施設やプランによって異なります。
社会人の方は、「人間ドック」ではなくても、それに近い「健康診断」は定期的に受診しているでしょう。従業員に「健康診断」を受診させることは法的にも企業に課されています。
そして、その理由は次のようなことによるものです。
- 早期発見・早期治療: 健康診断では、症状が現れる前の段階で病気を発見することができます。これにより、治療が早期に開始でき、重症化を防ぐことが可能です。
- 健康状態の把握: 健康診断を通じて、自分の現在の健康状態を知ることができます。これにより、生活習慣の改善や健康維持のための具体的な指針を得ることができます。
- 精神的な安心感: 定期的に健康診断を受けることで、自分の健康状態を確認でき、不安を軽減することができます。
- 生活習慣病の予防: 健康診断では、生活習慣病のリスクを評価し、予防策を講じることができます。例えば、高血圧や糖尿病などの早期発見が可能です。
健康診断は、健康を守るための重要な手段であり、定期的に受けることが推奨されています。
それでは、会社(法人)はどうでしょうか
個人のように、会社の状態を客観的に診断する必要性があるのではないでしょうか。
「会社ドック」という言葉はあまり聞かれないかもしれませんが、「経営診断」として、会社の状況を診断しているケースはあります。大企業では、社内に内部監査部門があります。また、会計監査法人の監査を受ける場合や、監督官庁から監査を受ける場合もあるでしょう。しかし、いずれも全社的ではなく、財務やコンプライアンスなど部分的な監査が多いようです。
しかし、中小企業においては、部分的ですら監査や経営診断は行われていないのが実情です。では、その理由は何でしょうか。
いくつかの理由が考えられますが、一番大きな問題は経営者の認識が低いことではないでしょうか。
人間の死の原因は何でしょうか
・老衰 ・病気 ・事故やケガによるものがほとんどです。
企業にとって、人間の死に当たるものを倒産とすれば、その原因は何でしょう。
・販売不振 ・資金繰りの悪化 ・信用の低下 ・連鎖倒産などが考えられ、最近では後継者や人手不足による倒産(売却)も多くなっています。
人間の死で老衰は避けられないものでありますが、病気や事故については、一定の予防は可能です。病気を早期に発見するために健康診断を受診します。事故やケガを防ぐためには、準備体操や身体を鍛えたり、想定される事故のリスクへの対処を行ったりします。
一般的な社会人の多くは、個人の体、生命に対して、これらのことを行っています。
企業においては、老衰はありませんが、人の病気や事故に該当するものはあります。特に、信用の低下は、情報化社会となった近年、SNSなどの影響で社会的制裁が強くなった傾向から企業にとって大きな問題です。そして、これらの要因は、人間における病気のように、企業の内部に起因するものが多いのです。
企業も人間と同様、これらを早期に発見する必要はあるでしょう。
それが「会社ドック」であると考えます。そして、「会社ドック」で発見された問題に対処することにより、企業の寿命は延びることになります。


