さむらい通信(代理店向け)第8号 

【保険代理店の課題 その3:生産性向上-人材育成と定着-】

保険代理店の生産性向上をシリーズ第3回に分けてお伝えしており、今回は第3回目となります。(お見逃しは、弊社HPでもご覧いただけます)

第1回:業務改善

第2回:IT活用

第3回:人材育成と定着

第3回:人材育成と定着

生産性向上の本質は「人材育成×定着」にあります

中小企業の経営者と話すと、必ず出る言葉は、

  • 「人が足りない」
  • 「育てても辞めてしまう」
  • 「忙しいのに利益が増えない」

しかし、ここに一つの大きな誤解があります。

生産性向上=効率化ではありません
生産性=「付加価値 ÷ 投入資源」です。

保険代理店の場合、付加価値を手数料、投入資源を人とすると、

生産性は、手数料/人 となります。

手数料は、代理店全体の手数料を示し、人は経営者を含むすべての従業員を示します。

それでは、どのようにすれば保険代理店の生産性は向上するのでしょうか?

1つ目は、業務プロセスの見直しです

損保業務の大半は、契約更改です。契約更改は、営業活動ではありません。契約更改と言う「作業」です。(ただし、これは私見であり、個人分野を対象とする場合です)

代理店の生産性を1,500万円/人以上にするためには、旧態依然の業務プロセスを見直す必要があります。

 2つ目は、人材育成です

保険代理店がおこなっている、人材育成のコンテンツは何でしょうか?

概ね以下のようなものが挙げられます。

 ・募集人資格取得

・FP資格取得

・ビジネスマナー研修

・保険コンプライアンス研修

 しかしながら、このレベルでは、今後生き残っていく代理店としては不十分であると考えます。そして、人材育成は、人材定着に繋がります。

更改作業ではなく、営業活動をおこなえる能力。とくに法人への営業スキルを備えた営業社員を如何に育成するかがポイントになります。

 ※業務プロセスと人材育成については、さむらい通信第6号と第7号を参照ください。

3つ目は、人材定着です

よくある失敗は、

✔  研修はしている
✔  OJTはやっている
✔ でも辞める

なぜか? 理由は明確です。成長実感がないからです。

人は、給料と人間関係だけで定着するわけではありません。

「自分が成長している」という実感が最大の定着要因です。

 生産性が高い会社の共通点

業績が安定している会社には共通点があります。

① 役割が明確

何を期待されているかが明確

参考→ピグマリオン効果

「期待されると、人はその期待に応えようとして成果を上げる傾向がある」という心理学の法則です。

 ② 数値が共有されている

自分の仕事が利益にどうつながるか理解している

 ③ 振り返りの仕組みがある

毎月改善している→PDCAサイクル

定着率を上げる3つのポイント

① 成長実感
② 承認
③ 将来の見通し

特に重要なのは「将来像」です。

  • 3年後どうなるのか?→企業のビジョンと同じ
  • 管理職になれるのか?
  • 専門職として評価されるのか?

   ここが曖昧な会社は、人が残りません。

経営者に問われること

最後に、最も重要な問いです。

社員は「作業者」ですか? それとも「付加価値創造者」ですか?

作業をさせる組織から、価値を生み出す組織へ。

それが生産性向上の本質です。

まとめ

大半の保険代理店で、半分以上のシェアを持つ自働車保険を考えてみてください。

以下は、生成AIが試算した自動車保険の契約件数の予測値です。

 代理店の自動車保険「契約件数」予測(指数:2025年=100とした場合)

シナリオ2030年2035年前提イメージ
楽観9590代理店が法人・高齢層・事故対応価値で踏みとどまる/直販の伸びが鈍化
標準9080車保有は緩やかに減り、直販が毎年少しずつ浸透/カーシェアが都市部中心に置換
悲観8674直販・比較サイト・手続き自動化が想定以上に進み、若年層の代理店離れが加速

なんだ10年後、悲観的でも「74」か、と思われるでしょうか?

減少の主な要因は、人口減、若者の自動車離れ、カーシェア、自動運転車の普及、ダイレクト保険販売の増加ですが、私は、この流れは加速すると考えています。

現在の自動車保険契約台数が、半分になる想定で財務シミュレーションをしてみてください。大半の代理店は経常赤字となり、債務超過から経営破綻するシナリオが現実味を帯びてきます。

それを回避する戦略を策定し、今から実行することが、経営者の役割であると考えます。

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